*

越生散策 ギャラリー&カフェ「山猫軒」

公開日: : 最終更新日:2018/09/05 旅行他

 快晴の秋の空。越生の里山をトレッキングするつもりが、時間の関係で完全なドライブになってしまった。車上のザックとトレッキングシューズが泣いている。越生梅林から黒山三滝方面へ向かい、まず、気がかりだったギャラリー&カフェ「山猫軒」に行く。麦原の停留所あたりから「山猫軒」と書かれた黄色い案内板がアスファルトの道路脇に点々とあるので、それを見失わなければ無事に到着できる。それほど地図ではわかりにくいし、山深い場所にある。失礼、山深いと言ってもバス停から登り徒歩30分ほどの距離である。「山猫軒」のウェブサイトより「アクセス」 「山猫軒」のウェブサイトより「アクセス」

 伝統工芸によるセルフビルドというキャッチフレーズの通り、どっしりとした大屋根の建物が森の中にひっそりと佇んでいる。手入れを施した庭園らしきものはなく、自然のままに任せて、むしろ森林との一体化を図っている感じだ。山猫の顔を象った金属製のオブジェの門や大きな甲虫のオブジェは目立つが、よく見ると草木から顔を覗かせている素敵なオブジェが多い。屋内には薪ストーブがあるらしく、薪がうず高く積まれていた。冬は寒そうだ。

 店内には靴を脱ぎ、スリッパで入る。大きな梁がいくつもある屋根まで吹き抜けのウッデイな、いや完全にウッドな屋内である。合成建材のかけらもない。窓もサッシではなく木枠である。

   fujinとfujiは薪ストーブのすぐ近くの席に陣取った。赤々と燃えるストーブの輻射熱が快いほど今日は寒い。私たちと同年代くらいのマスターが一人たたずんでいる。メニューから古代米野菜カレー(1,200円)とカンパーニュの野菜カレー(1,200円)を、飲み物はfujiがホットコーヒー(500円)、fujinがリンゴ酒サイダー(500円)を注文する。雰囲気から少し時間がかかりそうなので、その間、2階に上がって今井ちひろさんの個展を鑑賞する。

 今井ちひろさんの絵は淡く優しいタッチのメルヘンチックな内容の水彩画が多い。同じ名で有名な「いわさきちひろ」のタッチにも似ている。芸術作品の他にfujiの好きな瀬名秀明の本の表紙をはじめ、カバー絵をたくさん描かれているそうだ。「山猫軒」では12月25日まで開催されている。2階には折り畳み椅子がたくさん置かれていた。1階でいろいろなコンサートなどのイベントが行われているときの観客席になるようだ。

 野菜カレーが運ばれてきた。お皿に古代米が平らに盛られている。サイコロ形に切られた数種の野菜もついている。もちろん自家製野菜。カレーサーバーからカレーをすくって古代米にかける。やや甘めで、スパイスの効いたカレーだ。美味しい。カンパーニュは外側が硬くかりっとしていて、中側が焼きたてのフランスパンのようにソフトだ。コーヒーは苦みがあって香ばしい香りのエスプレッソ系のようだ。これは好きな味なので堪能できた。リンゴ酒についているアーモンドは丸っこくてかみごたえが適度な上級品。いずれもレベルが高いのだが、都会ならまだしも田舎にしては料金が高いかな。いつも庶民感覚なので。しかし、これは多分、森林と一体となった建物全体の雰囲気とギャラリーの鑑賞料も入っている、と思おう。

 レジの支払いのついでにいらぬことを聞いてしまった。テーブルに置いてあった「山猫軒ものがたり」の著者の奥様(南千代さん)のことである。「もう亡くなりました」の一言。すごく寂しそうに言われたので、こちらも突如としていたたまれない侘しい気持ちになってしまった。お二人で何年も苦労してつくり上げてきたカフェなのだろう。このような山奥で連れ添いが亡くなったら、どんなに寂しいことか。

 山猫軒については、実は越生では有名なギャラリーカフェだということ以外何らの知識もなかった。帰路についてから、テーブルでパラパラと読んだ南千代さんの著書をアマゾンで探し出した。古本しかなかったが、早速、「山猫軒ものがたり」と「夢見るエゴイストたち」を注文。読むのが楽しみだ。読み終えたらもう一度訪ねたいと思う。 

 カフェ&ギャラリー山猫軒 URL:http://www.geocities.jp/ura3tametomo/


写真をクリックして拡大

 

2024年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

関連記事

第17回国際バラとガーデニングショウ

 「国際バラとガーデニングショウ」は西武プリンスドームで毎年5月に開催されている。妻は招待券をもらっ

記事を読む

福井県立恐竜博物館(恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク内)

 恐竜好きの小2の孫に引かれて福井県立恐竜博物館を訪れることになった。大宮から北陸新幹線「かがやき」

記事を読む

満願ビレッジ(テント泊)

 満願ビレッジはそのほとんどがロッジ形式のオートキャンプサイトだが、持ち込みのテントサイトが3つだけ

記事を読む

ご当地自販機のパネル

 巾着田に架かる「あいあい橋」近くの自動販売機のパネルには曼珠沙華の写真があしらわれている。巾着田に

記事を読む

山陰旅行(境港、由志園、足立美術館、出雲、松江、米子、鳥取県立フラワーパーク)

 かねてから足立美術館にぜひ行ってみたいという庭園好きのfujinの憧れと神話の国出雲へのfujiの

記事を読む

小川のおやき

 信州の名物おやきも今や全国区になりつつある。もともと、農家の人たちが、畑で農作業の合間に手軽に食べ

記事を読む

信越7つの名桜巡りツアー

 クラブツーリズムの信越7つの名桜巡りツアーに参加。1泊2日のバスの旅で7か所の桜の名所を忙しく巡る

記事を読む

那須キャンプと老舗旅館

 久しぶりに那須高原のCamp&Cabinsでキャンプ。今回は囲炉裏とその屋根を附設したオー

記事を読む

越生散策

 HI氏夫妻とドライブで越生散策。空気は冷たいがよく晴れ渡った1日だった。紫陽花街道から脇道に入り、

記事を読む

初冬の新宿御苑と神宮外苑

 11月に行く予定だった新宿御苑と神宮外苑を1か月遅れで散策する。西武新宿駅から15分ほど歩くと新宿

記事を読む

2024年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
2024年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
弘法山と上谷の大クス山

完成した越生10名山パネル[/caption] 越生10名山の残りの

大高取山(29)~虚空蔵尊さくら山公園

Route Map(越生駅→大観山→西山高取→大高取山→幕岩展望台→

越生10名山指定記念ハイキング大会

 11月20日(日)に開催された「越生10名山指定記念ハイキング大会」

日和田山(40)-物見山-武蔵横手駅

  Route Map(日和田山→物見山→武蔵横手駅

ウォーターパーク長瀞(2泊)から宝登山

  Route Map(宝登山駐車場→宝登山頂→蝋梅

→もっと見る

  • 2024年11月
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
PAGE TOP ↑