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越生散策 ギャラリー&カフェ「山猫軒」2

公開日: : 最終更新日:2018/09/05 旅行他

 「山猫軒ものがたり」と「夢見るエゴイストたち」(南千代 著)を読み終えて、1週間後に再び「山猫軒」に向かう。越生自然休養村センターでまず、野菜を買い(前回は遅くなって品物が少なかった。)、駐車場に車を置きザックを背負ってトレッキングスタイルで歩く。休養村センターから麦原の停留場まではごくわずか。右に折れて、山を登るアスファルトの道路に入る。途中に土日のみ開店の「オクムサ・マルシェ」があった。野菜や土産物、それに昼食もできるそうだが、今日は金曜日で休店日。月火土日の開店だ。越生には魅力的な店が多いのだが、平日の開店は少ない。普段は観光客やハイカーが少なく、土日をアテにしている。その点、平日ハイカーの私たちは静かな山里の風情を楽しめる恩恵にあずかっている。

 前日は、なんと54年ぶりに東京で積雪が観測された11月の雪。越生の山々の木々には点々と綿帽子が残っている。畑は真っ白。「山猫軒」の黄色い道標に案内されて山道を登っていく。時折、樹上から凍った雪がパラパラと落ちてくる。なかにはヒョウのような塊も落ちてくるので、それを避けながら歩く。帽子やザックにかなりの雫がついていることに後で気がついた。乗馬クラブの入口を過ぎしばらく歩くと代官屋敷。これを再度見学する。シャーベット状の雪が積もっていて泥だらけになりそう。芭蕉の木は雪の重みで葉が折れている。屋敷の赤い屋根の煙り出しに、薄くなった大きな紋が描かれていた。一見粗末な家だが、やはり代官屋敷。向かいの山の陰にならず日当たりも良い。

 麦原の停留場から30分ほどで「山猫軒」に到着。今回は門の造りから雪を被った屋根の上までつくづくと眺める。人が煙突を登ろうとするオブジェが面白い。甲虫のオブジェは雪で覆われて頭部が見えない。2匹のウサギはまさに雪ウサギだ。階段を登る前のたたきのレンガはどれにもイニシャルが刻まれている。特別に焼いたものなのか。

 トレッキングシューズを脱いでスリッパに履き替え、店内に入る。ずっと登りだったので汗をかいている。マスターに薪ストーブが熱すぎるかもと、そこから離れた奥の大きな席に案内される。中央に置かれた1枚板のテーブルと同じ材質の長いテーブル。周囲を高くして内側が大きなノミ跡を残して彫られている。デコボコしているので食器を置くと不安定になりそうだが全くもって安定している。不思議なテーブル。木枠のガラス窓の一部は乳白色のモザイクが入っている。既存のアルミサッシではできない芸当だ。

 今日は若い女性スタッフがいる。キノコと野菜のピザ、コーヒー、カフェオーレ、チョコレートケーキ、それにチーズケーキを注文する。ピザが来るまで再度今井ちひろさんの絵を見に行く。前回、いわさきちひろのタッチに似ていると思ったが、形象化の少ない淡いタッチの絵だった。壁裏の千代文庫も見させていただく。自然図鑑、作物、農業、田舎暮らし、建築の本、もちろん宮沢賢治の本など南千代さんのお人柄が偲ばれる本が多い。

 ピザがやってきた。ピザカッターで自分で切る。美味しい。食べやすい。本格的な味。ケーキはいずれもチョコレートやチーズが濃厚。どこで作っているのだろうか。チーズケーキにはバナナとキウイ、ブルーベリージャム、チョコレートケーキには同じ果物とアーモンドが付いている。fujinのようなアーモンド好きにはアーモンドが追ってくるようだ。

 ゆったりとした気分に浸っていて、ついつい時間を過ごしてしまった。また、周遊コースを歩かず、このまま元来た道をてくてく引き返す。

Route Map(越生自然旧村センター→麦原停留場→オクムサ・マルシェ→代官屋敷→山猫軒)

Route Map(越生自然旧村センター→麦原停留場→オクムサ・マルシェ→代官屋敷→山猫軒)

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