武甲山
近くのロッジは10時近くまでにぎやかだったが、早朝の今はまだ寝静まっている様子だ。満願ビレッジを7時には発ちたかったところ、気温は0度で車全体が霜で真っ白。霜取りなどをしているうちに、結局、8時過ぎの出発となってしまった。道路の凍結の心配はない。秩父市街を抜けて299号に入る。生川入り口を右折して石灰工場の立ち並ぶ工場地帯を抜けると秩父御嶽神社の一の鳥居だ。ここが無料駐車場となっている。平日の朝でもすでに数台の車があった。週末や季節によっては満杯となってしまうかもしれない。
武甲山の最初の登りはセメント道の急登で真っすぐ登ると足首が疲れる。やっと山道に入ると単調な杉林の中のジグザグ道がずーっと続く。単調ながらも1丁目から52丁目まである碑がハイカーの疲れを癒す。先人達がその名前を刻んだ碑を担ぎ上げジグザグの角ごとに配してくれている。水場の不動の滝で据え置かれたペットボトルに水を入れる。わずかの量だが、山頂のトイレ用の水をここから運ぶのが武甲山のルールとなっている。大杉の広場で一休み。千年杉がたくさんの枝を伸ばしている。大杉のおかげで、この辺りは藪がない。いわゆる灌木が少ない。熊も隠れるところがないように思えるのだが。熊鈴はもちろんリンリン鳴らしている。途中で女性のハイカー二人に追い抜かされる。50歳前後だろうか元気な方たちだ。
50丁目の碑を見ると頂上にあっという間に着く。御嶽神社の裏手で、運んできたペットボトルの水を小さなマンホールに入れる。ちょっとしたお役目を果たした気分になる。第1展望台にはすでに数人のハイカーが眺望の良さに感心していた。西に甲武信岳、北西に雪を被った浅間山、東に以前登った笠山と堂平山がくっきりと見える。北側の谷川連峰も真っ白に見える。天気の良い日に登って頂上の誰もが満足している様子だった。小さな丸太造りの避難小屋兼東屋で、夕べ満願の湯で買ったソバの実どら焼きをほおばる。
ゆっくりしたいが時間がないのでコーヒーも沸かさず、元来た道を下山する。往路で霜柱の多かった道が融けてぬかるんでいる。頂上で写真を撮ってもらった男性3人にすぐに追い抜かれる。走るように下っていった。さわやかで気持ちの良い若者たちだった。セメント道になるとfujinが膝が痛いという。急で固い道が膝にこたえるようだ。林道の回り道に行く。こちらは緩やかなので膝が楽だという。林道を通ると一の鳥居の表側から駐車場に入ることになる。車はやや増えていた。生川入り口へ向かう途中のセメント工場地帯で、ハイカーが一人歩いていた。1時間半以上かかる芦ヶ久保まで歩くのだろう。こんな時には、声をかけてあげるべきなのだろうか。考えているうちに通過してしまった。
芦ヶ久保の道の駅に寄る。野菜やお土産、隣のパン屋でカンパーニュなどを買う。道路事情がよくなんとか3時半に帰宅できた。
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