上高地・小梨平キャンプ
ほとんど勢いでモンベルのステラリッジ2を購入。とにかく試し張りをしたくて上高地・小梨平を初張りに選択。家を出る時から雨に遭い傘をさす。立川駅では10:24発を10:30発とfujiの記憶違いのため、車掌さんの「出発します」の合図とともにスーパーあずさ11号に滑り込む。きちんと切符を確認しなくては。
小梨平キャンプ場
松本からは新島々まで松本電鉄上高地行きに乗る。新島々からはアルピコ交通のバスで上高地へ。遅出と雨天のため、お盆の渋滞にもあわずスムーズに小梨平に入る。受付のある事務所で敷板を2枚借り、無料のリヤカーで運ぶ。fujinがテント場を横切るときに目をつけていたという場所でテントを設営。幸いにも最盛期の半分以下程度の込み具合だそうだ。テントはすぐに張れたが、グランドシートを利用したタープ張りが難しい。小雨の中、1時間もかかってやっと設営完了。このようなタープは風が吹けばあっという間にあおられて飛んでしまいそうだ。夜明けまで無風状態だったのが何より。
隣のテントの住人の方が話しかけてくる。小梨平に来て2週間ほど経つそうだ。あと数日いるという。1か月以上住む方もざらだという。いわゆる常連さんたちは皆顔見知りで実に小梨平について詳しい。我々のような新参者はすぐに分かるし、どのテントの方がどこの山に登るのかも把握している。ところが常連さんたちは今は山にあまり登らない。それでも小梨平に飽きもせず、毎年来るのだ。ふだんは昼寝をしたり、談笑したり、ボランティアでキャンプ場警備のようなこともしている。こんな面白いキャンプ場もあるのか。滞在が長ければ、もっと面白い話を聞けたかもしれない。たった1泊では・・・。
雨キャンを想定して食事の類は一切持参しなかった。小梨平食堂で夕食を食べる。fujiがカツカレー(1100円)、fujinはおでん定食(800円)、手羽のつまみ(500円?)、それにジョッキのビール(450円)で乾杯。町の定食屋よりはもちろん高めだが、上高地では安価に抑えている食堂だ。特にビールが安い。売店でキャンプに必要なものはほとんど手に入る。財布の中身が続く限り何泊でもできそうだ。ワインを物色し、「小さなものはないかな」とつぶやくと、「こちらにあるよ」と気っ風のよい女性店員が教えてくれた。見ていると元気でこまめに働く店員だ。五一ワインの赤と白のデカンタとつまみを少し買う。
小梨平にはキャンプ場のお風呂「小梨の湯」がある。沸かし湯の小さな銭湯だが、洗い場も浴槽もあり、脱衣場にはドライヤーも一つ。入湯料:大人一人600円。
明神池
翌朝は5時前に目が覚め、外に出る。まだ空が白々としている。雨がすっかり上がり、今日は晴れ間になりそうだ。昨夜の雨でぬれたものを干し、6時を過ぎて明神池に出かける。テントの前の道を続々と登山者が通っていく。皆見るからに装備がしっかりした人達だ。これから槍、穂高に登るのだろうか。こちらはチェストポーチのみの軽装で登山者の後を追う。梓川の左岸は真砂に覆われた単調な道で登山者が多く通り、観光客はあまりいない。途中でトレイルランのグループに抜かれる。涸沢あたりまで走るのか。
小1時間ほどで明神小屋に着く。ベンチの周辺ではすでに登山者が休憩乃至は出発の準備をしている。明神池の入り口の穂高神社で入場料300円を払う。高いと思ったが、明神池を見て考え直した。決して高くない。40年前に槍ヶ岳に行く途中で寄ったことがあった。槍の肩の小屋で1泊する予定で、急いでいたのと無料だったせいか、短時間でしか一の池を見なかった。
改めて見る早朝の明神池は幻想的な雰囲気を醸し出していた。湖面に浮かぶ霧と朝日とのハーモニーが奏でる演出が見事に見る者の心に迫り訴えてくる。皇太子ご一家も昨年明神池を訪れていらっしゃった。入り口の東屋に当時の写真が飾ってある。登山がご趣味の皇太子さまが愛子様に是非、明神池を見せたかったのだろう。
二の池は初めてだった。こんなに素晴らしい情景を今頃になって見るとは、京都の名だたるお寺の庭園はこのような風景を模したものなのだろう。人工的ではなく天然の美がここに凝縮されているように思えた。しかも人工庭園の環境と違い空気が清涼で峻険な山肌が映えている。
帰路は梓川の右岸の河童橋・明神自然探勝道を往く。こちらは河童橋へは少し遠回りになるが、カラマツと水のせせらぎが美しいまさに自然探勝路である。2本の並行した木道を右側通行で歩いていると前方から1匹のニホンザルがやはり右側通行で歩いてくる。すれ違ってもこちらには目もくれなかった。振り返ると悠々と歩いていく姿が見えた。警戒心の無いずいぶん慣れたサルだ。上高地はこれまで比較的観光客のマナーがよかったせいなのだろう、動物と人間との距離が近い。キャンプ場でもキジバトがテントの傍らで親羽を広げて日向ぼっこをしていた。河童橋に着くと急に喧騒の世界となった。晴れたせいか、昨日に比べ人出が格段に多い。
テント撤収
撤収の準備をある程度済ましてからの朝の散歩だったが、テントの乾きは悪かった。日の当たるところで本体やシートを干す。隣の方は日向ぼっこを兼ねたお昼寝(朝寝?)である。近くのテントのご夫婦は5時過ぎに穂高に出かけたらしいが、日帰りではきついので、テントをデポしたのかもしれない。ここは空テントでも料金を払えばOKだそうだ。撤収の間にも続々と登山者が通っていく。梓川の左岸コースはどうしても小梨平のキャンプ場を通らざるを得ないのでこちらはぼーっと見学する羽目になる。登山者の服装やザックなど流行の最先端がここにあるようだ。目の保養になる。
河童食堂でブランチ。ザックは他の客に邪魔になるらしくレジの前に置く必要がある。トイレも有料。窓際のカウンター席からは河童橋を行き交う人が丸見えでなかなか面白い風景が見える。メニューはfujiが山賊焼き定食(1,680円)。運ばれてくる途中ですごいにんにくの臭いがした。鶏肉の大きな唐揚げが2枚。お昼には過剰だった。登山帰りに食べるのが適切なのだろう。食べ終わった直後から、臭いげっぷがしばらく続いた。fujinは山菜冷やしそば(1,280円)。こちらのほうがよかったかな。食後、上高地バスターミナルの手荷物預り所にザックを預ける。大(500円)、中(400円)、小(350円)と料金が異なり、大と中の料金を払った。小梨平では一律1個300円。
大正池と田代池
身軽になって梓川の左岸をあたりの植物に頭をひねりながら散歩。行き交う人は多い。元の湿原からほぼ草原化した田代池を見る。水の残る田代池は浅く、水底が赤色に透けて見えるのが美しい。大正池も人が多い。湖岸に腰を下ろして景色を眺めていると泳いでいたカモの親子が人ごみの中に上がってくる。実に慣れている。ところが西洋人の若いカップルが石を湖面に投げ入れる遊びを始める。いわゆる水切りだ。おまけにカップルの案内人らしい東洋人の男も水切を始める。不愉快に思っていると遠くから大声で注意される。注意されると、すぐに止めたが、こんなことが繰り返されると動物たちも人を恐れるようになってしまうだろう。それにしてもこの東洋人が日本人だったら悲しい。美しい大正池もこれですっかり興ざめしてしまった。
大正池ホテルでケーキセットを食べる。高いがさすがに美味しい。たいていの人がリーズナブルで美味しそうなカレーライスを食べている。fujiもブランチを食べずに好きなカレーを食べたかった。こちらにも山賊焼きがある。どうも上高地の名物らしい。
帰りはくたびれたのでホテル前のバス停から上高地バスターミナルにバスで戻る。ここから逆方向の沢渡(さわんど)行きのバスには乗れないようだ。バスからマイクで「満員で乗れません」のアナウンスが。残された客は一旦上高地バスターミナルへ戻り、再び沢渡行きのバスに乗る必要がある。大正池で降車する客が多いのでバスターミナル方面へはほぼ乗れる。
上高地を後にして
バスターミナルに戻り、お土産を買うなどしてバスの時刻まで時間をつぶす。帰りは埼玉(大宮・川越)行きのアルピコ交通直通バス(15:50発、7,400円)だ。ネットで予約したら、席が4席並びの真ん中の二つだった。窓際はないらしい。ところが席が空いているとの張り紙があったので、窓際の席に変えてほしいと案内窓口で問い合わせたら、かなりの時間が経って結局はないという。並んでいると、またまた窓口の係の方が運転手にもう一度聞いてくれとのこと。実際埼玉行きに並んでいる人はいつまでたっても増えず。それに比べて他の乗り場は沢渡行のバスやタクシー乗り場をはじめ長蛇の列。大阪行き直通バスは2台が満員である。
バスが来たので乗り込む。うん、6,7人しか乗ってこない。運転手に聞くと席は前から8番目以降すべて空いているとのこと。もちろん8番目の窓際に席を変えてもらう。とんでもないコンピュータ処理だ。機械的に前から割り振っている。それよりも、埼玉行きの直通バスの空き具合に心配になった。赤字路線でそのうちに無くなってしまうのでは。こんなに安くて便利なバスはないので、コンピュータ処理をしっかりして、もっと宣伝してほしい。埼玉県民にとっても上高地は身近にある。帰りに寄るサービスエリアは姥捨S.A、横川S.A、それに高坂S.Aだった。15分から20分ほどの停車。トイレや、買い物などが十分できる。ぜひご活用を。
上高地公式サイトより http://www.kamikochi.or.jp/about/walking-courses/
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8月16日
8月17日
上高地の植物
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